保育料はいくらかかる?認可保育園と無認可保育園の平均費用を紹介
みなさん、こんにちは。ほかつーるマガジン編集部です。
お子さんを保育園に預けようと考えたとき、多くの方が気になるのが保育料です。認可保育園への入園が難しければ認可外保育園も選択肢に入りますが、保育料が高いのではと心配な方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では認可保育園と認可外保育園の保育料はそれぞれいくらくらいかについて解説します。
認可保育園の保育料の平均費用や金額が決まる4つの要素
保育所には、国から認可を得て運営している認可保育園と、認可を得ていない認可外保育園(無認可保育園)があります。
ここでは、まずは認可保育園で必要な保育料の平均金額や保育料金の決め方などについて解説します。
認可保育園の平均費用
認可保育園は各自治体が保育料を設定しており、地域によって平均金額が異なります。政府統計をもとに、主要都市別に2022年度の保育料金の平均金額を見てみましょう。
幼児教育無償化制度により、3~5歳児クラスの保育園利用料金は無料になりました。以下の表は、2歳の第一子のお子さんを預けた場合の平均金額です。
エリア | 保育料(月額) |
札幌市 | 2万9013円 |
仙台市 | 2万8140円 |
横浜市 | 3万900円 |
東京都23区 | 2万1233円 |
名古屋市 | 2万8050円 |
大阪市 | 2万8225円 |
広島市 | 2万7738円 |
福岡市 | 3万75円 |
平均 | 2万6861円 |
(出典:e-Stat「小売物価統計調査(動向編)」9940保育所保育料(2歳児)
/https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003420453)
※表の金額を12で割り、小数点以下は四捨五入。平均額は統計表記載の全81市区の平均
認可保育園に2歳児を預けた場合の保育料の平均金額は、約2万7000円です。ただし、保育料はさまざまな要素で異なるため、上記金額はあくまで目安としてとらえましょう。
なお、実際には上記の保育料以外にも送迎バス代(利用している場合)、給食費、行事費などが必要です。
保育料を決める4つの要素
認可保育園の場合、保育料は家庭によって差があります。金額を決める要素は以下の4つです。
各自治体が設定する基準金額
住民税所轄割額
預ける子どもの年齢と人数
保育時間
上記4つを勘案して、家庭ごとの保育料が決定します。
各自治体が設定する基準金額
認可保育園の保育料は各自治体が基準額を設定しているため、住んでいる地域によって差がでます。たとえば、上述の政府統計によると、もっとも保育料が高額なのは伊丹市で月額3万3675円、もっとも低額なのは高知市で月額1万9083円です。
保育料を知りたいときは、預けようと考えている認可保育園がある地域の自治体サイトを確認しましょう。多くの自治体で、保育料の一覧を掲載しています。
一例として、以下で高知市の保育料一覧を紹介しましょう。
(引用:高知市「令和4年度 高知市保育料徴収金基準額表<2・3号認定(保育認定)>/
https://www.city.kochi.kochi.jp/uploaded/attachment/118775.pdf)2.世帯所得
上で挙げた高知市の例のように、保育料金は住民税の所得割課税額ごとに区分されます。共働き世帯の場合は、両親それぞれの住民税所得割額を合算した数値でみましょう。
なお、自分の所得割額の金額は、毎年6月ごろに届く住民税決定通知書(会社員)や個人事業主(住民税明細書)の「所得割額」の項目で確認できます。
保育料は、4~8月と9~翌3月とで変わることがあります。これは、それぞれの期間の保育料を決定する基準が以下のように異なるためです。
4~8月の保育料 →前年度の所得割額
9~翌3月の保育料 →当年度の所得割額
年度途中で給料が増えれば、年度後半で保育料が増額するケースがあることも覚えておきましょう。
3.子の年齢と人数
保育料は、預ける子どもの年齢や人数によっても異なります。子どもの年齢による保育料の違いは以下のとおりです。
0~2歳 | 各保育所が定める保険料基準額表により決定 ※住民料非課税世帯は無料 |
3~5歳 | 利用料無料 ※食材料費や行事費などは保護者負担 |
一つの世帯から複数の子どもを保育所に預ける場合は、2人目や3人目の子どもの保育料が半額になったり無料になったりと、軽減措置が取られます。軽減措置の内容は自治体によって違いますが、多いのは以下のようなパターンです。
2人目:半額
3人目以降:無料
子育て家庭への支援に力を入れている自治体では、2人目から保育料無料にしているところもあります。
4.保育時間
保育園に預けられる時間には「保育標準時間」と「保育短時間」の2つの区分があり、どちらになるかで保育料も変わります。それぞれの時間の長さは以下のとおりです。
保育標準時間 | 一日最大11時間利用/1カ月120時間以上 |
保育短時間 | 一日最大8時間利用/1カ月120時間未満 |
どちらの区分になるかは、「保育を必要とする理由」をもとに自治体が決定します。保育時間が長くなる標準時間の区分で預けるほうが、当然ながら保育料も若干高めです。
認可外保育園の保育料は園ごとに決まっている
認可外保育園の場合は、各施設が保育料を決定しています。自治体ごとの基準額は関係ないため、たとえ同じ地域内にあっても施設によって保育料に大きな差が出るケースは珍しくありません。
ただし、認可外保育所のなかでも、民間企業が運営する企業主導型保育園は認可保育所と同じように自治体から助成を受けており、保育料もそこまで高くない傾向にあります。
保育料が無料に?幼児教育・保育の無償化制度とは
少子化対策の一環として、2019年10月1日より幼保教育・保育の無償化制度が開始されました。ここでは、制度の概要と、認可保育園・認可外保育園のそれぞれの保育料金への影響について解説します。
認可保育園の場合
認可保育園(幼稚園、保育所、認定こども園、地域型保育事業)の保育料は以下のようになります。
3~5歳クラス | 保育園 | 保育料無料 ※通園バス代、行事費、給食費などは保護者が負担 | 年収360万円未満の世帯は副食費(おやつ・おかず代)免除 |
幼稚園 | 月額2万5700円まで無料 | ||
0~2歳クラス |
| 自治体の設定する保育料 | 住民税非課税世帯は保育料無料 |
保育料(利用料)が無償化されるのは、満3歳になった後に来る4月1日から小学校入学前までの3年間です。
認可保育園に通う場合、保育料無償化の手続きは特に必要ありません。
認可外保育園の場合
認可外保育所とは、認可を受けていない保育施設を指す総称です。ただし、企業主導型保育所は認可保育所に近い基準で運営されており、無償化の扱いにも違いがあります。
ここでは、企業主導型保育所とそのほかの認可外保育施設に分けて無償化の決まりについて解説します。
企業主導型保育施設
企業主導型保育所に通っている場合、自治体から「保育の必要性」が認定されれば、標準的な利用料の金額が無償化の対象になります。利用している園を経由して必要書類を提出することが必要です。
無償化の対象や条件は、認可保育園に準じます。
0~2歳 | 住民税非課税世帯の子で、保育の必要性がある場合 |
3~5歳 | 保育の必要性がある場合 |
標準的な利用料の金額は以下のとおりです。
4歳以上 | 3歳以上 | 1、2歳 | 0歳 |
2万3100円 | 2万6600円 | 3万7000円 | 3万7100円 |
(引用:内閣府「企業主導型保育事業における幼児教育・保育の無償化について」引用日 2023/9/21))
企業主導型以外の認可外保育所の場合
ここでは、一般的な認可外保育施設、自治体が独自に認証する施設、ベビーシッター、事業所内保育所などにおける無償化の扱いについて解説します。
自治体から「保育の必要性」が認定されれば、無償化の対象になります。ただし、以下のように上限が定められているため、注意しましょう。
0~2歳 | 住民税非課税世帯のみ月額4万2000円まで無償化 |
3~5歳 | 月額3万7000円まで無償化 |
上限額を超えた保険料は保護者の負担です。
まとめ
認可保育園と認可外保育園の保育料について解説しました。幼児教育・保育の無償化制度により、認可保育園は3歳から利用料金が無料です。
認可外保育園に通う場合も、「保育の必要性」が認定されれば標準的な利用料金が無料になります。そのため、過度に心配するほど高額になることはないでしょう。