教育資金はいくら必要?金額の目安と準備方法を解説します

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育児
2023-10-03

子どもを育てる親にとって、教育費の準備は悩みの種のひとつでしょう。教育資金は住宅資金、老後資金にならぶ「人生の3大支出」ともいわれています。幼稚園から大学までの教育費はまとまった金額になりますが、一方で必要になる時期が明確なため早めに計画を立てれば準備しやすい資金です。

この記事では保育園・幼稚園から大学までにかかる教育費の目安と、教育資金の準備方法について解説します。

教育資金ってどのくらいかかるの?

幼稚園から大学まで、すべて国公立なら821万3,000円ほど、すべて私立で大学は医歯系・仕送りもするとなれば3,500万円を超える費用が必要です。

しかし「教育資金」といっても具体的にどんな費用が含まれるのかご存知でしょうか。

一般的には文部科学省が定める以下の費用を指します。

  • 学校に直接支払うお金

    • 入学や授業にかかる費用

      • 入学金

      • 授業料

      • 入園料

      • 保育料

      • 入学試験の受験料 など

    • 学校での教育にともなって必要な費用

      • 学用品費

      • 修学旅行費

      • 給食費 など

  • 学校以外に直接支払うお金で、社会通念上相当と認められるもの

    • 塾や英会話など教育に関する商品・サービスへの対価と、必要な物品の購入費

    • スポーツ(水泳など)や文化芸術(ピアノなど)、教養の向上のために受ける指導等への対価と、必要な物品の購入費

    • 通学定期券代

    • 留学渡航費

教育資金=学費のみを想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、実は学用品や塾・習いごとなど、教育に関する幅広い費用が含まれます。

幼稚園から大学までにかかる公立・私立別の教育費

ここからは幼稚園から大学まで、各段階でかかる年間の教育費を公立・私立に分けて見ていきましょう。

なお掲載する金額は、すべて文部科学省による2021年の調査データにもとづいています。

幼稚園

公立

私立

年間

16万5,000円

30万9,000円

3年間

49万5,000円

92万7,000円

公立幼稚園では年間16万5,000円、私立幼稚園は年間30万9,000円が目安です。

年少から年長まで3年間通うとすると、総額では公立が49万5,000円、私立は92万7,000円になります。

文部科学省によると、全国の幼稚園のうち公立は2,910件、私立が6,152件と、私立の件数が公立の2倍以上にのぼります。資金の計画を立てる際は私立の金額を参考にするとよいでしょう。

小学校

公立

私立

年間

35万3,000円

166万7,000円

6年間

211万8,000円

1,000万2,000円

小学校の場合、公立だと費用は年間およそ35万3,000円、私立は年間およそ166万7,000円です。6年間通いますから、総額では公立が約211万8,000円であるのに対して私立では1,000万円を超えてきます。

小学校に入ると習いごとなど学校以外でかかる費用が増える傾向にあります。近くにある学習塾や習いごとなどの月謝・用具代を調べておくと安心でしょう。

中学校

公立

私立

年間

53万9,000円

143万6,000円

3年間

161万7,000円

430万8,000円

公立の中学校は年間約53万9,000円、私立の中学校では年間約143万6,000円の費用がかかります。

3年間で公立は161万7,000円、私立は430万8,000円となります。

入学金や授業料など学校に支払う費用の差が大きく、実は学校以外の活動にかかる費用は公立と私立のどちらも37万円程度です。

私立の場合は中高一貫校も多いため、中学受験を考える方は高校も私立を想定して計画を立てるとよいでしょう。

高校

公立

私立

年間

51万3,000円

105万4,000円

3年間

153万9,000円

316万2,000円

高校の場合は公立が年間51万3,000円ほど、私立は年間105万4,000円ほどとなります。

3年間では公立が153万9,000円、私立は316万2,000円です。

公立・私立ともに塾など補助学習費が学校以外に支払う費用の8割を超え、約17万円〜25万円が目安です。

大学

国公立

私立・文系

私立・理系

(医歯系以外)

私立・理系

(医歯系)

年間授業料

53万6,000円

81万5,000円

113万6,000円

288万3,000円

4年間の授業料

214万4,000円

326万円

454万4,000円

1,153万2,000円

大学の場合は国公立か私立か、文系か理系か、医歯系かどうかで授業料の総額が大きく変わってきます。

上の表は授業料のみを示したものですが、ほかにも入学金、自宅から通うかどうか(仕送り)、浪人したときの費用の3点を考慮する必要があるでしょう。

  • 入学金

    • 国公立:約30万円~40万円

    • 私大(医歯系以外):約25万円

    • 私大(医歯系):施設設備費含め約201万円

  • 仕送り:年間約96万円(4年で約384万円)

  • 浪人した場合の予備校授業料:年間約47万円~57万円

浪人せず国立大学に入学し、自宅から通う場合は4年間で約244万4,000円ですが、1年浪人して私大医歯系に進学し、自宅外から通う場合は5年間で約1,794万円と、その差は7倍です。

最後に幼稚園~大学までに必要な教育資金を簡単に表にまとめておきます。

すべて大学には浪人せずストレートで進学し、自宅から通う場合を想定しています。浪人を考慮する場合は表内の数字に+57万円、仕送りを考慮する場合は+400万円としてくださいね。

すべて公立

高校から私立

(大学は理系)

中学から私立

(大学は理系)

すべて私立

(大学は医歯系)

821万3,000円

1,218万6,000円

1,487万7,000円

3,194万1,000円

教育資金の準備方法

教育資金の準備方法として多いものから順に3つ紹介します。

  • 銀行預金

  • 学資保険

  • 資産運用

半数以上が銀行預金を活用し、次いで約5割が学資保険を、約2割が資産運用で準備しています。

1. 銀行預金

もっともオーソドックスな方法が銀行預金の利用です。利息はほぼつきませんが、紹介する3つのうち唯一元本保証である安心感があります。

自動振替や自動定額積立などのサービスを利用して着実に貯めていきましょう。

ただし預貯金は貯めやすい一方で引き出しもしやすいため、ついつい使ってしまわないよう注意が必要です。

2. 学資保険

学資保険とは子どもの教育資金を準備するための保険です。毎月保険料を支払う代わりに、あらかじめ設定した年に祝金や満期保険金を受け取ります。

また親に万が一のことが起きた際には、以後保険料の払込みが不要となり、満期保険金も予定通り受け取れる、保険ならではの備えも。

運用利回りはあまり高くありませんが、預貯金の+αとして利用を考えたい方法です。

3. 資産運用

資産運用のなかでも利用するとしたら「つみたてNISA」でしょう。

年間120万円(2024年以降)を限度に投資信託などの金融商品を積立運用できる制度です。

つみたてNISAで購入できる商品は金融庁の基準を満たした、リスクが比較的低い商品に絞られています。

20年間運用すればマイナスにはならないというデータも金融庁から発表されていますが、あくまでリスク商品であることに変わりはありません。

預貯金・学資保険とのバランスを見て利用したい方法です。

教育資金の準備についてFPに相談するメリット

子どもが生まれてから大学に進学するまでの期間は18年。

そのあいだに第2子・第3子の誕生による家族構成の変化や、転職・独立、マイホームの購入、親の介護など家計の状況も変化するでしょう。

またインフレが続けば学費も値上がりしていくかもしれません。

教育資金を準備する計画を立てる際には、多くの不確実な要素を考慮する必要があります。

家計のプロであるFPに相談すれば、さまざまなライフイベントを考慮してあなたに合った準備方法や具体的な金額をカスタマイズして提案してくれます。

教育資金をできるだけ負担なくリスクも抑えて準備するには、早めのスタートがポイントです。

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